令和5年、一級建築士の製図試験を初めて受験しましたが、結果は不合格でした。
試験当日、図面自体は時間内に完成させることができていました。
大きなミスをした自覚もなく、「もしかしたら大丈夫かもしれない」という気持ちも、少しだけありました。
しかし同時に、試験中に感じていた焦りと不安は、最後まで消えることはありませんでした。
特に、エスキスに3時間を費やしてしまったことは、試験中から強い不安要素になっていました。
エスキスが完成しないまま作図に入り、見直し時間も取れずに試験を終えた図面に、手応えはまったくありませんでした。
そして、結果は当然のように不合格でした。
今振り返ると、不合格になった原因ははっきりしています。
この記事では、令和5年の製図試験で不合格になった実体験をもとに、何が原因だったのか、そして翌年の合格につながった違いについてお伝えします。
これから製図試験を受験する方にとって、同じ失敗を防ぐための参考になれば幸いです。
エスキスが未完成のまま作図に入った時点で、不合格はほぼ決まる
令和5年の製図試験で不合格になった最大の原因は、エスキスが完成しないまま作図に入ってしまったことでした。
本試験当日はエスキスに取りかかりましたが、思うようにまとまらず、気づけば3時間が経過していました。
この時点で、エスキスは未完成の状態でした。
しかし、これ以上時間を使うと作図が終わらないという焦りから、不完全なまま作図に移ってしまいました。
今振り返ると、この判断が不合格の決定的な原因だったと感じています。
そしてこれは、僕だけではありませんでした。
翌年、2年目として製図の勉強をしていたときも、同じように時間に追われてエスキスが完成しないまま作図に入ってしまい、苦しんでいる1年目の受験生を何人も見てきました。
製図試験では、エスキスが固まっていない状態で作図に入ると、必ずどこかで辻褄が合わなくなります。
「作図の途中で部屋の大きさを調整すればいい」と思う人もいるかもしれません。
しかし、実際にはそんなことは絶対にできません。
一部を修正すると、他の部分との整合性が取れなくなり、結果として、何かしらの条件を満たさない図面になってしまいます。
そして、作図段階で修正を繰り返すことで時間が足りなくなり、チェックの時間も取れないまま試験を終えることになります。
エスキスが未完成のまま作図に入るということは、合格の可能性を自ら捨ててしまっているのと同じです。
どれだけ時間がかかったとしてもエスキスの段階で、配置や各室の大きさ、法的条件等のすべてを整理し、完成させてから作図に入らなければなりません。
製図試験では、作図の速さ以上に、エスキスの完成度が合否を分けるのだと、この失敗を通して痛感しました。
見直し時間を確保できなかったこと
令和5年の本試験では、作図自体は約2時間30分で完成させることができました。
しかし、見直しの時間を一切取ることができませんでした。
原因は、エスキスに3時間を費やしてしまったことです。
製図試験では、エスキスが終わった段階で行う中間チェックと、作図が終わった後に行う最終チェックが、絶大な重要性を持ちます。
エスキス後の中間チェックでは、
- 要求室がすべて配置されているか
- 法律を満たす建物になっているか
- 部屋のサイズが要求通りになっているか
などを確認し、エスキスの段階で計画の破綻を防ぎます。
そして作図後の最終チェックでは、
- 記入漏れ
- 条件違反
- 寸法ミス
などがないかを確認し、合格できる図面として完成させます。
製図試験では、これらのチェックを行って初めて、合格レベルの図面になります。
逆に言えば、これらを行っていない図面は、不合格になります。
これは例外なく、確実にです。
エスキスも作図も完璧に仕上げたつもりでも、100%ミスをしています。
しかし、当時の自分は、この絶対に行わなければならない工程を飛ばさざるを得ませんでした。
エスキスに時間をかけすぎたことで、チェックの時間を確保できなかったからです。
試験終了の合図と同時に提出した図面は、完成はしているものの、確認が一切できていない状態でした。
当然、手応えはまったくありませんでした。
今振り返ると、チェック工程を飛ばしてしまった時点で、合格は難しかったのだと思います。
製図試験では、図面を完成させること以上に、チェックまで含めて完成させることが重要です。
エスキスに時間を使いすぎたことが、見直し時間の不足につながり、それが不合格の大きな原因になりました。
エスキス時間が長すぎたことが、すべての原因だった
令和5年の製図試験で不合格になった原因を振り返ったとき、作図のミスもチェック時間が取れなかったことも、突き詰めれば原因は全て、エスキス時間の長さにあったと断言できます。
本試験当日、エスキスに約3時間を費やしました。
しかし、それだけ時間をかけても、エスキスは完全にはまとまっていませんでした。
未完成のまま作図に入らざるを得ず、結果として、中間チェックも最終チェックも行うことができませんでした。
時間に追われる状態で作図を進め、確認が不十分なまま提出した図面は、
合格レベルには全然届いていなかったのだと思います。
そして、この経験を踏まえて迎えた令和6年の製図試験では、
エスキス時間は、1時間20分でした。
令和5年と比べて、約1時間半も短縮することができました。
その年の受講生の中で圧倒的に一番早かった自信がありました。
エスキスを早く、そして正確にまとめることができたことで、
作図時間も余裕を持って確保できました。
さらに、中間チェックと最終チェックの時間も取ることができました。
試験中も、令和5年のときのような焦りはなく、
最後まで落ち着いて図面を完成させることができました。
そして、結果は合格でした。
この経験から、
製図試験の合否を分ける最大の要因は、作図の速さではなく、
エスキスの完成度とスピードである
と強く感じました。
エスキスに時間がかかりすぎると、その後のすべての工程に影響します。これは実体験を持って断言できます。
作図時間が不足し、チェック時間も取れず、図面の完成度は確実に下がります。
逆に、エスキスを短時間で正確にまとめることができれば、試験全体に精神的余裕が生まれ、図面の完成度も大きく向上します。
令和5年の不合格は、作図力が不足していたわけではありませんでした。
エスキスを制限時間内に完成させる力が不足していたこと。
それこそが、不合格の本当の原因だったのだと思います。
エスキスに5時間かかっていた僕が1時間20分まで短縮した具体的練習方法は、こちらの記事からご覧いただけます。
まとめ 製図試験で落ちる原因は、エスキスを完成させる力が不足していること
令和5年の製図試験で不合格になった原因は、作図が遅かったことではありませんでした。
図面自体は、時間内に完成させることができていました。
しかし、合格するために必要な完成度には全然届いていませんでした。
その最大の原因は、エスキスを完成させる力が不足していたことでした。
エスキスに3時間を費やしたのにもかかわらず、未完成のまま作図に入ったことで、計画の精度が不十分な状態になってしまいました。
さらに、中間チェックと最終チェックの時間も確保できず、図面の確認を行うこともできませんでした。
製図試験では、図面を完成させることは最低条件であり、そのうえで、法的条件・要求条件をすべて満たし、ミスのない図面に仕上げることが求められます。
そのためには、エスキスの段階で計画を完成させ、チェックの時間まで含めて試験を進める必要があります。
翌年の令和6年の試験では、エスキス時間を1時間20分まで短縮することができました。
エスキスを早く正確にまとめられるようになったことで、作図時間とチェック時間にも余裕が生まれ、最後まで落ち着いて試験を進めることができました。
そして、結果は合格でした。
この経験から、製図試験の合否を分けるのは、作図力ではなく、エスキスを制限時間内に完成させる力であると強く感じました。
もし今、エスキスに時間がかかりすぎているのであれば、作図の練習と並行してエスキスを完成させる力を身につけることを優先するべきです。
それが、製図試験に合格するための、最も重要なポイントだと思います。
一級建築士の製図試験で落ちる人には共通点があり、合格者と決定的な違いがあります詳しくはこちらの記事からご覧いただけます。





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