製図試験で、「エスキスが遅い」と悩んでいる人は非常に多いです。
条件整理から1/1000までは順調に進んでも、1/400に入った瞬間、手が止まる。
配置を何度も描き直し、気づけば何時間も経っている。
その結果、作図時間が足りなくなり、不合格になる。
これは、製図試験で落ちる人の典型的なパターンです。
ちなみに、1年目の時の僕も、これが理由で落ちました。
しかし、エスキスが遅い原因はセンスではなく、やり方の問題です。
正しい考え方と正しい練習方法を身につければ、エスキス時間は確実に短縮できます。
実際に、エスキスに5時間以上かかっていた僕も、1時間半で完成できるレベルになりました。
この記事では、エスキスが遅い人の共通点と、エスキスを速くするために今すぐ実践すべき方法を解説します。
エスキス時間を短縮したい方は、ぜひ最後まで読んでください。
エスキスが遅い人の共通点 1/400で“正解”を探して止まってしまう
エスキスが遅い人と速い人の差は、実は、条件整理から1/1000の段階ではほとんどありません。
この段階は与えられた条件を整理し、ゾーニングを大まかに決める作業なので、大きな差がつきにくい部分です。
差がつくのは、その次の段階である「1/400に落とし込む作業」です。
エスキスが遅い人は、決まってこの1/400で手が止まります。
その原因は、大きく2つあります。
管理ゾーンの配置に迷いすぎている
まず一つ目が、管理ゾーンの配置に時間をかけすぎていることです。
管理ゾーンは、
- 要求されている室がすべて入っていること
- 面積条件を満たしていること
この2つさえ満たしていれば、基本的に問題ありません。
しかも、管理ゾーンは基本的に1階に配置するため、無窓居室等も考えなくても良いです。
ですが遅い人ほど、「もっと良い配置があるのではないか」と考え続け、手が止まってしまいます。
エスキスで最も重要なのは、完璧な配置を作ることではなく、図面として成立させることです。
僕自身は、まず一本廊下を通し、その周囲に必要な室を当てはめるというやり方で、短時間でまとめていました。
たったこれだけで、管理ゾーンは十分成立します。
すべての室を“整形”にしようとしている
もう一つの原因は、整形の部屋にこだわりすぎていることです。
もちろん、「短辺と長辺の比」などの指定がある場合は整形を守る必要があります。
しかし、「〇〇㎡以上」といった条件の室まで、無理に整形にする必要はありません。
遅い人ほど、すべての室を綺麗な長方形に収めようとして、何度も描き直しています。
これは、明らかに時間の無駄です。
製図試験に、「整形の室が多いほど評価される」という基準はありません。
凹凸があっても、条件を満たしていれば問題ありません。
実際、突出した部分ができた場合でも、休憩スペースやフリースペースとして処理すれば解決します。
エスキスを速くするために必要なのは、完璧な形を目指すことではなく、成立する形で迷わずまとめることです。
僕自身、この考え方に変えてから、エスキス時間は一気に短縮されました。
その他のエスキスが遅い人の共通点は以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
エスキスは「正解」を探している限り、一生速くならない
エスキスで正解を探している人は、絶対に速くなりません。
なぜなら、製図試験に、“正解の配置”など存在しないからです。
多くの受験生は、綺麗に室を並べようとします。
すべて整形にしようとします。
完璧なスパン割りを探そうとします。
しかし、そんなことをしても、一切評価されません。
どれだけ綺麗にまとめても、重複距離が違反していれば、その瞬間に不合格です。
逆に、多少いびつな形でも、多少使いにくそうな配置でも、法的条件と要求条件さえ満たしていれば、普通に合格します。
これが、製図試験の現実です。
冷静に考えてみてください。
評価されないものに、何十分もかける意味がありますか?
完全に無駄な時間です。
僕はこの事実に気づいた瞬間、エスキスで悩むことをやめました。
極論、なんでもいいんです。
室の配置も、スパン割りも、成立していれば、それでいい。
完璧な案を作る必要はありません。
成立する案を、迷わず一発で決める。
それだけです。
おそらく、今まであなたがエスキスで悩んでいた時間のほとんどは、
合格には一切関係のない時間です。
今日から、正解を探すのをやめてください。
それだけで、エスキス時間は、確実に変わります。
僕自身、この考え方に変えてから、エスキスは5時間 → 1時間20分まで短縮できました。
トレースをやめて、「別案エスキス」を繰り返す
資格学校では、トレース課題が出されます。
模範解答をそのまま写す練習です。
しかし、エスキスを速くしたいのであれば、トレースは優先度が低い練習です。
理由は明確です。
トレースは、すでに完成している配置をなぞっているだけであり、
自分で配置を決める力が身につかないからです。
本試験では、模範解答は存在しません。
すべてを、自分で決める必要があります。
そのため、優先すべき練習は、「別案エスキス」です。
同じ課題を使って、室の配置を変えてください。
階段の位置を変えてください。
廊下の通し方を変えてください。
模範解答とは違う配置で、
成立させる練習を繰り返してください。
一つの課題でもパターンは無限に出てきます。
この練習の目的は、
「さまざまな条件に対応できるようになること」です。
別案を繰り返すことで、
- この階段だと廊下幅とマッチする
- この廊下の形状にしたら室が並べやすい
- このスパン割だとこの大きさの部屋が配置しやすい
これらが理解できるようになります。
そして、成立さえしていれば収まるという、エスキスにおいて最も重要なことに気づくことができます。
例えば、模範解答が7mスパンで構成されていたとしても、8mスパンに変更して成立させることは可能です。
その際、廊下係数や面積条件を満たしているかは確認する必要があります。
しかし、それさえクリアしていれば、室の形が多少崩れていても問題ありません。
すべての室を整形にする必要もありません。
製図試験は、室の美しさを評価する試験ではありません。
条件を満たしているかどうかを評価する試験です。
この事実を理解すれば、エスキスで悩む時間は大幅に減ります。
エスキスを速くしたいのであれば、トレースよりも、別案エスキスを優先してください。
これが、エスキス時間を短縮するための、最も効果的な方法です。
エスキスを速くしたいなら、「量」をこなす以外に方法はない
エスキスを速くしたいのであれば、量をこなしてください。
これ以外に、確実な方法はありません。
目安として、1週間に最低3枚は別案エスキスを作ってください。
「そんなにできない」・「時間が足りない」と思うかもしれません。
しかし、正解を探さないエスキスをしていれば、1枚に何時間もかかることはありません。
むしろ、枚数を重ねるほど判断は速くなります。
そして、他の受験生より多くのエスキスを描いた人が、確実に有利になります。
理由は単純で、経験したパターンの数が違うからです。
初めて見る条件でも、「この形でまとめれば成立する」という判断が、迷わずできるようになります。
これは、量をこなした人にしか身につかない力です。
さらに重要なのは、描いたエスキスを必ず講師に採点してもらうことです。
自分では気づけなかった、優れた配置が見つかることがあります。
それを、自分のレパートリーとして蓄積してください。
成功パターンが増えるほど、エスキスはさらに速く、さらに安定します。
ここで意識してほしいのは、時間をかけることではなく、量をこなすことです。
1枚に時間をかけるのではなく、成立させて、次に進んでください。
この繰り返しによって、判断速度は飛躍的に向上します。
そして、ここまで読んだあなたは、すでに正しい方法を知っています。
あとは、実行するだけです。
この好循環に入ることができれば、エスキス時間は、驚くほど短縮できます。
練習枚数が大切な理由については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
まとめ エスキスを速くしたいなら、「正解を探す」のをやめる
エスキスが遅い原因は、能力不足ではなく、やり方の問題です。
多くの人は、
- 正解の配置を探そうとする
- すべての室を綺麗に整形にしようとする
- トレースで満足してしまう
こうした練習を繰り返しています。
しかし、製図試験で評価されるのは、配置の美しさではありません。
「条件を満たして成立しているかどうか」だけです。
つまり、完璧な案を作る必要はありません。
成立する案を、迷わずまとめることが重要です。
そのためには、トレースではなく、別案エスキスを繰り返してください。
室の配置を変える。
階段の位置を変える。
スパン割りを変える。
この練習を繰り返すことで、「どんな配置でも成立させることができる」という感覚が身につきます。
この感覚が身につけば、エスキスで迷うことはなくなります。
そして、エスキス時間は、確実に短縮されます。
エスキスを速くするために必要なのは、センスを磨くことではありません。
正しい練習を、正しい方向で繰り返すことです。
今日から、正解を探す練習ではなく、とりあえず成立させる練習に変えてみてください。
それが、エスキス時間短縮への最短ルートになります。




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