一級建築士 製図試験 エスキスが遅い人の共通点5選【原因はこれです】

製図試験

製図試験で時間が足りなくなる人の多くは、作図ではなくエスキスの段階で既に失敗しています。

エスキスに3時間、4時間とかかってしまい、

  • 作図時間が足りない
  • チェック時間が取れない
  • 焦ったままエスキスを終わらせる

こうした状態で、不合格になります。

しかし、これは能力の差ではありません。

エスキスが遅い人には、はっきりとした共通点があります。

私自身、受験生時代に多くの受講生を見てきましたが、

エスキスが遅い人は例外なく、

同じところで止まり、同じことで迷い、同じ失敗を繰り返していました。

逆に言えば、遅くなる原因は限られています。

この記事では、「エスキスが遅い人に共通する特徴」

について、実体験をもとに解説します。

もし今、

  • エスキスに2時間以上かかってしまう
  • 途中で何度もやり直してしまう
  • 時間内に作図まで余裕を持って進めない

こうした悩みがある方は、

自分に当てはまっていないか、ぜひ確認してみてください。

整形の室にこだわる人

整形の室にこだわる

これが、エスキスが遅くなる最大の原因です。

そしてこれは、多くの受験生が無意識にやってしまっています。

エスキスは通常、1/1000 → 1/400の順で進めていきます。

1/1000の段階では、すべての室を正確な形で入れる必要はありません。

そのため、

1/1000ではどの室もグリッドに沿った整形で、きれいに配置することができます。

問題は、1/400に進んだときです。

1/400では、

  • 面積条件を満たすこと
  • すべての要求室を入れること

などが必要になります。

この段階で、

「あと少しで入るのに入らない」

という状況が頻繁に起こります。

特に、300㎡前後の大きな室は、

多くの人が無意識に、グリッドにぴったり収めようとします。

そして、整形のまま収めようとして、

  • 少しずつ位置を闇雲にずらす
  • スパン割りを変える
  • 他の室の位置を変える

それでも収まらない。

結果、1/1000からやり直す

これが、エスキスが遅い人の典型的な流れです。

整形で並んだ図面は、確かにきれいに見えます。

見た目も整い、自分自身も安心感があります。

しかし、製図試験は、図面の“美しさ”を評価する試験ではありません

評価されるのは、

  • 要求条件を満たしているか
  • 法規違反がないか
  • 図面として成立しているか

これだけです。

室が整形かどうかは、合否に直接関係ありません。

それにもかかわらず、整形にこだわることで、

配置の自由度は大きく制限されます。

その結果、何度もやり直すことになり、エスキスの時間だけが失われていきます。

この「整形で収めなければならない」という意識こそが、

エスキスのスピードを大きく下げている原因です。

管理ゾーンで止まる人

エスキスが遅い人は、管理ゾーンで手が止まります

これは、受講生時代に本当に多く見てきました。

まず、論外なのが、

管理ゾーンの廊下係数を考慮していない人です。

利用者ゾーンと管理ゾーンは、同じように扱ってはいけません。

管理ゾーンは、室の合計面積に対して、廊下係数1.4程度を確保する必要があります。

つまり、室の面積だけでなく、

その4割分の廊下面積を見込んでおかなければ、絶対に成立しません。

この時点で、配置できない計画をしてしまっている人も少なくありません。

では、廊下係数1.4を確保しているのに、それでも管理ゾーンが収まらない人は、

なぜ止まってしまうのでしょうか。

原因は一つです。

各室が大きすぎることです。

これは、グリッドに合わせて配置しようとすることで起こります

例えば、スパンが7m × 7mの場合、

1グリッドは、49㎡になります。

半グリッドでも、24.5㎡です。

ここで、要求面積が15㎡以上の室に対して、

半グリッドをそのまま使ってしまう人が非常に多いです。

確かに、室の要求面積は満たしています。

しかし24.5㎡ものスペースは必要ありません。

しかし、グリッド単位で収めようとすることで、約10㎡もの無駄が生まれます

この無駄が、一つ二つなら問題ありません。

ですが、管理ゾーンには、小さな室が複数存在します。

それらすべてで余裕を持たせてしまうと、

最終的に、「どうやっても収まらない状態」になります。

そして、

  • 配置を変える
  • スパンを変える
  • 全体をやり直す

この繰り返しで、エスキスの時間が失われていきます。

管理ゾーンで止まる人の多くは、

配置の問題ではなく、面積の使い方の問題で止まっています。

グリッドに収めることを優先した結果、

自ら余裕を失い、エスキスを成立させられなくなっているのです。

スパン割りに迷いすぎる人

エスキスが遅い人は、スパン割り」で必ず止まります。

例えば、間口が40mの場合、

  • 8m × 5スパンにするのか
  • 7m × 4スパン + 6m × 2スパンにするのか

ここで手が止まる人は非常に多いです。

そして、一度1/1000で配置してみたあと、

グリッドに合わない室が多い」という理由で、スパン割りを変更する。

これは、エスキスが遅い人の典型的な行動です。

スパン割りを変えるということは「1/1000をすべてやり直す」ということです。

配置してきた室、検討してきた動線

これらすべてが無駄になります。

これは、エスキスの中でも最大級の時間ロスです。

しかし、ここで一つ冷静に考えてほしいことがあります。

8m × 5スパンでも、7mと6mの混合スパンでも、

建物全体の面積は同じです。

面積が同じということは、確保できる廊下面積も同じです。

つまり、廊下係数は変わりません。

廊下係数が同じであれば、要求室を入れることができる総量も同じです。

もちろん、要求室の面積構成によって、収まりやすさに差は出ます。

しかし、どちらのスパンでも、すべての室を収めることは可能です。

それにもかかわらず、多くの人は、

「このスパンでは収まらない」

と判断してしまいます。

そして、スパン割りを変え、また一からやり直す。

この繰り返しで、時間だけが失われていきます。

エスキスが遅い人は、スパン割りに正解があると思っています。

しかし、実際には違います。

スパン割りに、絶対的な正解はないです。

極論、スパン割りはなんでも良いです。

条件を満たす限り、どのスパンでも図面は成立します

スパン割りで迷い続けることは、

自らエスキスの時間を削っているのと同じです。

スパン割りで止まる人ほど、エスキスは遅くなります。

エスキス量が圧倒的に少ない人

これは、ある意味当然の話です。

エスキスは、量をこなさなければ速くなりません。

エスキスが遅い人の多くは、そもそもエスキスの枚数が足りていないです。

私が受験生だった頃は、

1週間に4〜5枚のエスキスを作成し、

そのすべてを講師に採点してもらっていました。

正直、かなりの負担でした。

しかし、このくらいの量をこなさなければ、見えてこないものがあります。

それは、これまで説明してきたような、本質的な気づきです。

例えば、

  • 室は整形でなくても成立すること
  • スパン割りに絶対的な正解はないこと

こうした事実は、エスキスの量をこなした人だけが、実感として理解できます

逆に、エスキス量が少ない人は、この感覚を持つことができません。

その結果、

  • 整形にこだわり続ける
  • スパン割りで迷い続ける

こうした状態から抜け出せません。

そして、ここで問題になるのが、負の連鎖です

エスキスが遅い

だから、1枚に時間がかかる

時間がかかるから、枚数をこなせない

枚数をこなせないから、気づきが得られない

気づきが得られないから、また遅いエスキスを繰り返す

この繰り返しで、最後までエスキススピードが上がらないまま、

本試験を迎えることになります。

エスキスが遅い人は、技術がないのではありません。

単純に、量が足りていないだけです。

量をこなしていない限り、エスキスが速くなることはありません

そして、量をこなしていない人ほど、

本質的な気づきを得られないまま、遅いエスキスを続けることになります。

まとめ エスキスが遅い人は「迷い」を抱えたまま進めています

ここまで、エスキスが遅い人の共通点を見てきました。

改めて整理すると、エスキスが遅い人は、

  • 整形の室にこだわる
  • 管理ゾーンの面積配分で止まる
  • スパン割りに迷い続ける
  • エスキス量が圧倒的に少ない

こうした特徴を持っています。

そして、これらすべてに共通しているのは、

迷いながらエスキスをしていること」です。

整形でなければいけないのではないか。

このスパンでは収まらないのではないか。

この配置で本当に大丈夫なのか。

こうした不安がある限り、

手は止まり、エスキスの時間は伸びていきます。

その結果、作図時間やチェック時間が不足し、

本試験で本来の力を発揮できなくなります。

エスキスが遅いことは、単に時間がかかるという問題ではありません。

そのまま、不合格に直結する問題です。

私自身、受験生時代に多くの受講生を見てきましたが、

最後までエスキスが遅かった人の多くは、本試験でも時間不足に苦しんでいました。

そして、合格していった人たちは例外なく

エスキスを短時間でまとめることができていました。

エスキスのスピードは、製図試験の合否を分ける重要な要素の一つです。

なお、エスキスを速くするために実際に行っていた具体的な方法については、

別の記事で詳しく解説しています。

【一級建築士製図 エスキスが遅い人の共通点と、1時間でまとめる方法】

https://rindo-blog.com/2026/02/25/一級建築士製図%E3%80%80エスキスが遅い人の共通点と、1/

エスキスに時間がかかって悩んでいる方は、そちらも参考にしてみてください。

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