一級建築士の製図試験を受けるにあたって、
「総合資格の製図講座は本当に意味があるのか?」「高い費用を払う価値はあるのか?」と悩んでいる方は多いと思います。
製図講座は学科講座と同様に、決して安いものではないため、後悔しない選択をしたいと考えるのは当然のことです。
私自身、総合資格学院の製図講座に2年間通いましたが、1年目は不合格でした。
作図時間は8時間半。
周りの受講生にまったくついていけず、
「製図は自分には無理かもしれない」
そう思うほど、絶望していました。
それでも、総合資格の講座で学習を続けた結果、作図時間は2時間半まで短縮し、2年目の令和6年、本試験で合格することができました。
実際に2年間通ったからこそ分かる、
- 良かった点
- デメリット
- どんな人に向いているのか
この記事では、それらをすべて正直にお伝えします。
総合資格の製図講座を検討している方の参考になれば幸いです。
総合資格の製図講座で良かった点① 本試験を想定した課題の質が圧倒的に高い
総合資格の製図講座で特に優れていると感じたのが、課題の質の高さです。
製図講座では、通常講義とエスキス講座、直前講座を合わせて、合計約20課題ほどをこなします。単に課題数が多いだけでなく、それぞれの課題に明確な目的があり、段階的に難易度が上がるよう設計されていました。
具体的には、以下のような流れで進んでいきます。
- 1〜4回目:基礎課題
作図手順や基本的なプランニングを習得するための課題 - 5〜8回目:応用課題
一見収まりそうに見えても、そのままでは必ずどこかで破綻するように作られており、条件整理と検討力が求められる課題 - 9〜12回目:本試験レベル課題
本試験と同等の難易度に加えて、新たな検討項目が1つ以上追加される課題 - エスキス講座:本試験想定課題
制限時間・条件ともに本試験を強く意識した内容。初めて検討する項目が多く出題され、本試験での柔軟な対応力が身につく
このように、基礎から本試験レベルまで段階的にレベルアップできるカリキュラムが組まれていました。
さらに特徴的だったのは、本試験では出題されない可能性のある検討項目まで扱う点です。
例えば、私が受講していたときは、
- エスカレーターの配置検討
- EXP.J(エキスパンションジョイント)を用いた既存躯体の利用
- ペデストリアンデッキ
といった、難易度の高い内容も課題として出題されました。
これらは実際の本試験では出題されませんでしたが、こうした応用課題を経験していたことで、未知の条件に対する対応力が身についたと感じています。
製図試験は、見慣れない条件が出題された瞬間に思考が止まってしまう受験生も多くいます。
しかし、総合資格の課題で幅広いパターンを経験していたことで、「初めて見る条件でも対応できる」という自信につながりました。
これは、単に作図やエスキスのスピードが上がるだけでなく、本試験で合格するための本質的な力を身につけるうえで非常に大きなメリットだったと思います。
総合資格の製図講座で良かった点② 授業動画の質が高く、復習効率が圧倒的に高い
次に良かったと感じたのが、授業動画の質の高さです。
総合資格の製図講座では、日曜日に教室で課題に取り組み、平日にその課題を授業動画を視聴しながら再度取り組むという流れで進めていきました。
この復習動画が、単なる解答解説ではなく、「なぜそのプランになるのか」というロジックまで深く解説されている点が非常に優れていました。
模範解答は、感覚ではなく、明確な根拠に基づいて作られています。
例えば、
- なぜこの位置に階段を配置するのか
- なぜこのスパン割が合理的なのか
- なぜこのゾーニングが成立するのか
といった設計の意図を、一つひとつ言語化して説明してくれます。
これによって、
- 表面的なトレースで終わらない
- 他の課題でも応用できる
- 自分でプランを組み立てる力が身につく
といった効果を実感しました。
復習動画を見て理解を深めることで、次の課題では明らかにエスキスの精度が上がっていきました。
さらに、作図が遅い受講生向けに、作図手順を解説した動画も用意されていました。
この動画では、
- どの順番で線を引くのか
- どのタイミングで寸法を入れるのか
- 手を止めないための工夫
といった、非常に実践的な内容が解説されています。
私は当時、作図に8時間半かかっていましたが、
この作図動画を参考に練習を繰り返したことで、最終的には2時間半まで短縮することができました。
製図試験は、エスキスだけでなく、作図スピードも合否に直結します。
いくら良いプランができても、図面を完成させることができなければ意味がありません。
その点で、
- 正しい作図手順を学べる
- 何度でも動画でエスキスの復習ができる
という環境は、非常に大きなメリットだったと感じています。
総合資格の製図講座で良かった点③ 結果ではなく“思考過程”を修正してくれる添削
もう一つ、総合資格の製図講座で強く感じたのが、添削の質の高さです。
※これは講師による部分もありますが、私が2年目に担当していただいた講師の添削は、合否を分けるレベルの価値がありました。
製図の添削というと、
- ここが違う
- この条件を満たしていない
といった、「結果」に対する指摘だけをされるイメージがあるかもしれませんが、2年目に担当された講師の指導はまったく違いました。
指摘されるのは結果だけではなく、
- なぜこの配置にしたのか
- どういう意図でこのプランを組んだのか
- どの段階で判断を間違えたのか
といった、思考の過程そのものを改善してくれるものでした。
例えば、
「この配置は条件を満たしていない」
で終わるのではなく、
「この要求を優先したのは正しいが、その場合はこちらの条件との整合を先に検討すべきだった」といった形で、どこで判断を誤ったのかを明確に示してくれました。
この指導によって、単に課題を修正するだけでなく、
- 次に同じ条件が出たときにどう考えるべきか
- どの順番で検討すれば破綻しないか
といった、再現性のある思考力を身につけることができました。
製図試験は、課題ごとに条件が変わります。
そのため、結果だけを修正しても、次の課題ではまた同じミスを繰り返してしまいます。
しかし、思考の過程から修正してもらうことで、どの課題でも対応できる力が身につきました。
結果だけを指摘される添削ではなく、合格するための考え方そのものを修正してもらえたことは、非常に大きな価値だったと感じています。
デメリット① 講師によって指導の質に差がある
総合資格の製図講座で感じたデメリットの一つが、講師によって指導の質に差があることです。
私自身、1年目と2年目で担当講師が変わりましたが、教え方はまったく異なっていました。
1年目の講師は独自の進め方をしており、復習で授業動画を見ても、講師の説明方法と動画の内容に違いがありました。
そのため、どちらを基準にすべきか迷うこともあり、復習の効率があまり良くなかったと感じています。
また、理解が早い受講生には積極的に指導する一方で、遅れている受講生へのフォローは比較的少なく、受講生によって指導の密度に差があるようにも感じました。
しかし、2年目に担当していただいた講師は、授業動画の内容をベースにしながら、さらに詳しく補足して説明してくれました。
その結果、
- なぜその配置になるのか
- どの順番で検討すべきか
といった思考の流れまで理解することができ、製図力が大きく向上しました。
この経験から感じたのは、「講師との相性や指導スタイルによって、理解度や成長スピードが変わる可能性がある」ということです。
もちろん、優れた講師が多いのも事実ですが、講師ごとに指導スタイルが異なるため、この点は事前に理解しておくべきデメリットの一つだと思います。
デメリット② 宿題が多く、自分のペースで進めにくい
デメリットの2つ目が、宿題が多いため、自分のペースで勉強を進めにくいことです。
総合資格の製図講座では、毎週さまざまな宿題が課されます。
具体的には、
- エスキス課題
- 作図課題
- 部分的な作図トレーニング
などがあり、1週間の学習量は決して少なくありません。
総合資格の課題は、製図力を伸ばすために用意されたものですが、勉強を続けていくうちに、
- 自分の弱点
- 今優先して取り組むべきこと
これらが明確になってきます。
例えば私の場合、作図スピードはすでに一定のレベルに達していたため、部分的な作図トレーニングよりも、エスキスの練習に時間を使いたいと考えるようになりました。
しかし、総合資格では宿題の提出率などが管理されており、提出状況によっては、学習姿勢について指摘を受けることもありました。
講師やチューターによって指導方針は異なりますが、自分の課題認識と講座のカリキュラムとの間にズレを感じる場面もあったのは事実です。
私自身、1年目はこの点にストレスを感じ、モチベーションが低下してしまった時期もありました。
一方で、このような課題量があるからこそ、
- 学習量を維持できる
- 強制的にアウトプットの機会が確保される
という側面もあります。
そのため、自分のペースで自由に勉強したい人にとってはデメリットになり得ますが、学習習慣を維持したい人にとってはメリットにもなり得る点だと感じました。
それでも総合資格の製図講座はおすすめできる理由
ここまで、総合資格の製図講座のデメリットについても正直に書いてきました。
講師による指導の差や、宿題の多さなど、決して楽な環境ではありません。
しかし、それでも私は、総合資格の製図講座をおすすめします。
理由はシンプルです。
この講座がなければ、私は合格できなかったと断言できるからです。
1年目、私は作図に8時間半、エスキスに5時間かかっていました。周りの受講生がどちらも2時間半〜3時間で完成させる中、1枚目すら終わらない状態でした。
講師からも半ば見放され、自分でも「製図は無理かもしれない」と思うほど絶望していました。
しかし、
- 課題
- 復習動画
- 作図動画
- 添削指導
これらを繰り返す中で、少しずつ改善していきました。
その結果、作図時間は最終的に2時間半まで短縮することができました。
それでも1年目は不合格でした。
作図スピードは間に合うレベルに達しましたが、エスキス力や計画力が不足していたからです。
しかし、2年目も総合資格で学習を続けたことで、
- エスキスの精度
- 判断スピード
- チェック力
すべてが大きく向上し、令和6年の本試験で合格することができました。
総合資格の製図講座は、決して楽に合格させてくれる講座ではありません。
課題量も多く、要求されるレベルも高いです。
しかし、合格するために必要な力を、確実に身につけることができる環境だったと感じています。
製図試験の勉強において最も危険なことは、
- 何をすればいいのか分からない
- 自分のやり方が正しいのか分からない
総合資格では、
- 何をすべきか
- どこが間違っているのか
これらを明確に示してくれました。
もし独学での合格に不安を感じているのであれば、総合資格の製図講座は、合格への最短ルートの一つになると思います。
少なくとも私は、この講座があったからこそ合格できました。
製図試験の合格を本気で目指すのであれば、総合資格の受講を検討する価値は十分にあると感じています。


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