一級建築士製図で合格するために、どれくらい勉強時間が必要なのか気になったことはありませんか?
結論から言うと、製図で大切なのは勉強時間ではなく、何枚エスキス・図面を書いたかです。
例えば、作図に4時間かかる人が20時間勉強した場合、完成する図面は5枚です。
一方、作図が2時間半で終わる人が同じ20時間勉強すると、約8枚の図面を書くことができます。
このように、同じ勉強時間でも書ける枚数には大きな差が生まれます。
つまり、一級建築士製図試験は、エスキスや作図が速い人ほど経験値を積みやすく、有利になる試験なのです。
合格者はどれくらい図面を書いているのか
一級建築士製図に合格する人は、どれくらい練習しているのでしょうか。
私の周りの合格者を見ると、製図講座が始まって3カ月間で、平均してエスキス約70枚、図面約50枚ほど練習している人が多かったです。
この枚数は、作図やエスキスに時間がかかる人では、なかなか確保できない量です。
例えば、週25時間勉強すると仮定します。
エスキスに3時間、作図に4時間かかる人の場合、1課題のエスキスと作図を完成させるまでに 合計7時間かかります。そのため、週25時間勉強しても完成できる課題は 約3枚です。
一方、エスキス2時間、作図2時間半で終わる人の場合、1のエスキスとを完成させるまでにかかる時間は 合計4時間半になります。この場合、同じ週25時間でも 約5枚の課題をこなすことができます。
つまり、同じ勉強時間でもエスキスや作図が速い人ほど、より多くの図面を書くことができるのです。
この差が数ヶ月続くと、練習量には大きな差が生まれます。
その結果、経験値の差がそのまま合否に影響してくるのです。
僕自身も最初は作図に8時間半・エスキスに5時間かかっていました。しかし、エスキス時間を1時間半・作図時間を2時間半まで短縮できたことで、書ける図面の枚数が一気に増え、試せる別案エスキスの数が飛躍的に増えました。
その結果、様々な課題に対応できる柔軟なプランニング力を身につけることができました。
作図が8時間30分かかっていた僕が2時間30分まで短縮した体験談の記事は、こちらからご覧いただけます。
一級建築士 製図 作図時間 8時間半かかった僕が2時間半まで短縮した方法

長時間勉強しても受からない理由
長時間勉強して儲からない理由は、学科試験とは違い、製図試験は暗記では太刀打ちできないからです。
学科試験には「この問題はこの解き方」といったパターンがあります。しかし、製図試験にはそのような単純なパターンはほとんど存在しません。毎年、無数にある条件の中から厳選された内容が出題されるからです。
そのため、単に長時間勉強するだけでは意味がありません。課題ごとに「なぜこの配置にしたのか」「なぜこの動線計画にしたのか」といったプランのロジックを、自分の中に落とし込んでいく必要があります。
無駄に時間だけを費やす勉強をしていると、経験値が増えないまま時間だけが過ぎていきます。製図試験で大切なのは、勉強時間ではなく、自分のプランを論理的に説明できる力です。
そして、この経験値を増やすためには、できるだけ多くのエスキスや図面をこなす必要があります。そのために最も重要なのが、エスキス・作図のスピードを上げることなのです。
どうすれば速くなるのか
作図もエスキスも、ある意識をもって練習すれば、驚くほど速くなることができます。
日頃から持つべき重要な意識・方法を紹介します。
作図を速くするためにすべきこと
作図を速くするためには、闇雲に図面を書き続けるだけでは不十分です。重要なのは、自分の弱点を把握し、効率よく練習することです。
自分の遅い工程を分析する
まずは、自分がどの工程で時間を使っているのかを分析しましょう。各工程ごとに、必ずタイマーで時間を測るようにしてください。
多くの人は、図面を1枚完成させることばかり意識してしまいます。しかし、本当に重要なのは「遅い工程」を見つけて、その部分だけを繰り返し練習することです。
例えば、断面図を書くのが遅いのであれば断面図だけを繰り返す。階段を書くのが苦手なら階段だけを書き続ける。こうした部分的な練習を続けることで、作図時間は大きく短縮されます。
実際にこの方法を続けることで、最初の半分ほどの時間で図面を書き上げられるようになるケースも珍しくありません。
上手い人を観察する
もう一つ重要なのが、上手い人の作図を観察することです。
作図が遅い人は、自分の中だけで悩んでしまうことが多く、周りのやり方をあまり見ていないことがあります。しかし、作図が速い人は、意外と多くの小さな技術を使っています。
例えば、線の引き方や家具を書く順番、寸法の入れ方など、真似できる小さな工夫がたくさんあります。こうした技術を観察し、自分の作図に取り入れていくことが大切です。
作図が速い人というのは、多くの技術を観察し、自分のものにしてきた人たちなのです。
僕自身も、作図時間が8時間半から2時間半まで短縮できたのは、こうした練習方法を徹底したことが大きな理由でした。
僕が作図時間を8時間30分から2時間30分まで短縮した具体的方法は、以下の記事からご覧いただけます。
一級建築士製図 作図を2時間30分まで短縮する方法【8.5時間→2.5時間】

エスキスを速くするためにすべきこと
エスキスを速くしたいのであれば、まず「正解のプランを探すこと」をやめる必要があります。
多くの受験生は、できるだけ綺麗なプランを作ろうとして時間を使ってしまいます。確かに整形で綺麗にまとまったプランは見た目が良く、気持ちも良いものです。
しかし、一級建築士の製図試験では、プランの美しさは全く評価されません。
それよりも重要なのは、
- 法規に違反していないこと
- 構造的に無理がないこと
- 要求室や条件を満たしていること
この3つを確実に満たしていることです。
つまり、多少形がいびつでも、条件を満たしていれば合格します。逆に、綺麗なプランでも法規違反や条件の見落としがあれば、その時点で不合格になります。
エスキスが遅い人の多くは、「もっと良いプランがあるのではないか」と考え続けてしまいます。
しかし製図試験では、完璧なプランを探す必要はありません。条件を満たしたプランを素早くまとめることの方が、はるかに重要なのです。
私自身も「正解のプラン」を探すのをやめたことで、エスキス時間を5時間から1時間20分まで短縮することができました。
以下の記事ではエスキスが遅い人の共通点と速くなるために重要なことを更に詳しく紹介しています。かなり参考になると思いますので、ぜひご覧ください。
一級建築士 製図試験 エスキスが遅い人の共通点5選【原因はこれです】

一級建築士製図 エスキスが遅い人の共通点と、1時間でまとめる方法

まとめ 製図は経験値を積み上げた人が勝つ
一級建築士製図試験で重要なのは、勉強時間の長さではありません。
どれだけ多くのエスキスや図面を書き、その課題からどれだけ多くの要点を吸収できたかが合否を大きく左右します。
同じ勉強時間でも、エスキスや作図が速い人ほど多くの課題をこなすことができ、その分だけプランの引き出しが増えていきます。結果として、さまざまな条件に対応できる力が身についていきます。
製図試験は暗記では太刀打ちできない試験です。
大切なのは、根拠をもってプランニングを行い、自分の考えを説明できるようになることです。
そして、その経験値を増やすためには、エスキスや作図のスピードを上げ、できるだけ多くの課題をこなしていくことが重要になります。
勉強時間だけにこだわるのではなく、何枚書いたか・その課題から何を得たかを意識して練習量を積み重ねていきましょう。


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