一級建築士製図 作図が遅い人の共通点と縮まらない理由を解説

製図試験で時間が足りなくなる人の多くは、エスキスではなく作図で時間を使いすぎています。

  • いつも作図が3時間以上かかる
  • 課題によって作図時間が大きく変わる
  • 途中で手が止まる

こういった状態の人は、本試験で確実に時間が足りなくなります。

作図の速さというのは、製図試験で合格するための最低条件です。

しかし、作図が遅い人は線を引くスピードが遅いわけではありません。

原因はもっとシンプルで、作図のやり方そのものが非効率だからです。

この記事では、製図受験生を見てきて感じた

  • 作図が遅い人の共通点
  • 作図時間が縮まらない理由

を解説します。

作図が遅い人の共通点

作図の途中で手が止まる

作図が遅い人の最大の特徴は、途中で手が止まることです。

作図が速い人は、図面を書いている最中にほとんど手が止まりません。

逆に遅い人は、何度も手が止まります。

その原因は何かというと、「細かい作図手順を決めていない」からです。

資格学校では、例えば壁を各工程では「壁は柱を書いた後」「ドアの位置に印をつけてから書く」

といった大まかな順番しか教えられません。

しかし、作図が速い人はそこからさらに細かく手順を決めています。

例えば、

  • 左から順番に書く
  • 一室ごとに仕上げる
  • 外壁をまず書いて、内壁を書く

といったように、自分の中で完全な作図ルールを作っています。

そのため、図面を書くときは考える必要がなく、ただ決めた手順をなぞるだけです。

一方で作図が遅い人は作図順序が細かく決まっていないため、次に何を書けば良いか考えながら作図を行います。

また、どこまで終わって何が終わっていないかの確認作業が発生するため、かなりの時間ロスになります。

こうして手が止まる時間が積み重なり、最終的に30分以上の差になります。

作図を速くするためには、線の速さよりも手を止めない作図手順を細かく作ることが重要です。

手戻りが多い

作図が遅い人は、先ほどの「手順が確定していないこと」が原因で、手戻りが多いという特徴もあります。

手戻りが多いと、単に前の工程をに追加して書かなければならないデメリットがあるほかに、今どこまで書いていたか思い出す作業が発生するというデメリットもあります。

本来であれば必要ないはずのこの確認作業が、毎回発生してしまいます。

例えば、

  • どこまで壁を書いたか
  • 開口部はどこまで入れたか
  • 家具はどこまで終わったか

こういったことを思い出すために、数秒ずつ時間を失っていきます。

この数秒は一回だけなら大したことがないように見えます。

しかし、作図中に何度も繰り返されることで、最終的には数十分の遅れにつながります。

だからこそ作図では、急ぐことよりも、手戻りをなくすことの方が重要です。

焦って雑に進めると、結局あとで修正が必要になり、さらに時間を失います。

一見遠回りに見えても丁寧に進めることが、結果として一番の時間短縮につながるのです。

道具の持ち替えが多すぎる

作図が遅い人の中で最も時間ロスが大きい原因が、この道具の持ち替えが多すぎることです。

例えば、

  • 薄い線を引きたいからシャーペンを0.7mm → 0.5mmに持ち替える
  • トイレの便器を描くために 毎回テンプレートを使う

こういった動作です。

一つ一つは数秒の動作ですが、作図の中では何十回も発生します。

これだけで数分〜十数分のロスになります。

そもそも、そこまで細かく道具を使い分ける必要はありません。

シャーペンの線の濃さは、力加減で十分調整できます。

わざわざ0.5mmと0.7mmを持ち替える意味はほとんどありません。

テンプレートについても同じで、使ったほうが速い場合と使わないほうが良い場合があります。

大きな円や特殊な形状などはテンプレートを使うべきですが、トイレの便器や小さな円形の家具などまで毎回テンプレートを使う必要はありません。

小さいものはフリーハンドで十分です。

作図が速い人は

  • 定規を使うところ
  • テンプレートを使うところ
  • フリーハンドで済ませるところ

この使い分けがはっきりしています

逆に遅い人は、すべてを正確に書こうとしすぎて道具に頼りすぎます。

製図試験は、図面の美しさを競う試験ではなく、限られた時間で図面を完成させる試験です。

道具の使い分けを見直すだけでも、作図時間は大きく短縮できます。

僕が合格したときに使っていた道具やおすすめの製図道具は、以下の記事からご覧いただけます。

作図時間が縮まらない理由

作図時間を測らない

作図時間が縮まらない原因の1つ目は、作図時間をきちんと測っていないことです。

作図が遅い人は、すべての工程が均等に遅いわけではなく、どこかの工程だけが極端に遅いという場合が多いです。

例えば、

  • 断面図だけ時間がかかる
  • 壁を書く工程が遅い
  • 階段や家具を書く工程で止まる

こうした弱点があるにもかかわらず、全体の作図時間しか見ていないと、どの工程が自分の弱点なのか分かりません。

その結果、弱点が改善されないまま同じ練習を繰り返してしまい、いつまでも作図時間は短縮されません。

作図時間を縮めるために大切なのは、自分の遅い工程を見つけることです。

作図の途中経過の時間を測ることで、

  • どの工程が遅いのか
  • どこを優先的に練習すべきか

これらがはっきり見えるようになり、効率的な練習ができるようになります。

作図時間を測ることは、単にタイムを記録することではありません。

自分の弱点を見つけるための重要な作業なのです。

一枚通しでしか描かない

作図時間が縮まらない原因の2つ目は、一枚通しの作図ばかり練習することです。

しかし、作図の練習においては一枚通しの練習はそれほど意味がありません。

なぜなら、作図が遅い原因は図面全体ではなく、特定の工程が足を引っ張っている場合がほとんどだからです。

例えば、

  • 断面図が遅い
  • 階段を書くのに時間がかかる
  • 壁を書く工程で時間を使いすぎる

このように、どこかの工程が弱点になっています。

その状態で毎回一枚を最初から最後まで書いても、弱点はなかなか改善されません。

作図時間を縮めるために大切なのは、足を引っ張っている工程を潰すことです。

3時間かけて一枚の図面を完成させるよりも、苦手な工程だけを10回繰り返し練習する方がはるかに価値があります。

この練習を続ければ、作図時間は確実に短くなります。

結果として、将来的には30分以上の時間短縮につながります。

綺麗な図面に仕上げようとする

作図時間がなかなか縮まらない場合、図面を綺麗に仕上げようとしすぎている可能性があります。

製図試験では、図面の綺麗さは基本的に評価されません。

もちろん読みやすい図面であることは大切ですが、美しさを競う試験ではありません。

実際、フリーハンドを多く使っていても合格している人は大勢います。

それにもかかわらず、

  • 小さな丸や四角までテンプレートを使う
  • 家具を完璧な形で描こうとする
  • 細かい部分まで定規で書こうとする

こうしたことに時間を使ってしまう人がいます。

しかし、家具をどれだけ綺麗に描いたとしても、図面が完成しなければ意味がありません。

製図試験では、時間内に図面を完成させることが最優先です。

多少形が歪んでいても問題ありません。

それよりも、時間内に確実に完成させるスピードを重視するべきです。

作図が8時間30分かかっていた僕が2時間30分まで短縮した具体的な練習方法は、以下の記事からご覧いただけます。

まとめ

作図時間が縮まらない人には、いくつかの共通した特徴があります。

まず、作図時間を測らないことです。

作図が遅い人は、すべての工程が遅いわけではありません。

どこかの工程が弱点となり、全体の時間を引き延ばしています。

作図時間を測ることで、自分がどの工程に時間を使っているのかが明確になります。

次に一枚通しの作図ばかり練習していることです。

作図時間を縮めるために重要なのは、図面を完成させることではなく、弱点となっている工程を潰すことです。

苦手な工程を繰り返し練習することで、作図時間は確実に短くなります。

そして、図面を綺麗に仕上げようとしすぎることです。

製図試験は図面の美しさを競う試験ではありません。

多少形が歪んでいても問題はなく、重要なのは時間内に図面を完成させることです。

作図時間を短縮するために必要なのは、線を速く引く技術ではありません。

無駄な時間を減らし、効率よく作図できる状態を作ることです。

この意識を持つだけでも、作図時間は大きく変わってきます。

エスキスの解説が気になる方は、以下の記事からご覧いただけます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました