社会人になってからの一級建築士学科は、正直かなりきついです。
学生の頃は、
「時間をかければ何とかなる」
そんな感覚で勉強していました。
でも社会人になると、残業、通勤、付き合い、疲労。
机に向かえる時間そのものが一気に減ります。
それでも、学生時代と同じやり方で勉強を続けてしまい、
模試を受けてみたら、
- 法規が20点前後
- 構造も20点に届かない
- 他の科目はそこそこ取れている
そんな結果に、強い焦りを感じました。
「時間が足りないのか」
「やり方が悪いのか」
「もう間に合わないのか」
当時の自分も、何が正解なのか分からないまま、ただ不安だけが大きくなっていきました。
ですが、冷静に点数を見直してみると、一つだけはっきりしていたことがあります。
法規と構造は配点が30点。
そして、この2科目は、やればやるだけ伸びる科目だということ。
ラスト1ヶ月で全科目を底上げするのは現実的ではありません。
しかし、科目を絞り、やることを間違えなければ、点数は十分に逆転できます。
私自身、「全部やろう」とするのをやめ、
やるべきことを極限まで削ったことで、点数の伸び方が一気に変わりました。
ラスト1ヶ月で点数を伸ばす最も効率の良い方法は、たった一つです。
法規と構造がそれぞれ20点以下なら、最優先
一級建築士学科試験において、
法規と構造はそれぞれ30点満点という、圧倒的なウエイトを持つ科目です。
そしてこの2科目には、他の科目にはない特徴があります。
それは、やればやるだけ点数が伸びやすいということです。
正直に言うと、学科を通過したいなら、
法規+構造で合計50点は確保したいところです。
例えば、
- 計画:12点
- 環境・設備:12点
- 施工:16点
この点数でも、法規と構造で50点取れていれば、
合計90点でボーダーラインに到達します。
逆に言えば、法規・構造を落とした状態で、
他の科目だけでカバーするのはかなり厳しい。
この2科目が、いかに合否を左右するかが分かると思います。
法規 20点以下なら「センス」は関係ない
まず法規についてです。
法規は、よく「国語力が必要」「読解が苦手だから無理」と言われますが、
20点以下の段階では、特別な読解力はほぼ必要ありません。
やっていることはシンプルで、
問題文を読む
↓
法令集で該当条文を引く
↓
正誤を判断する
これだけです。
つまり法規は、
才能やセンスの問題ではなく、作業量と慣れの問題。
条文を引くスピードや引く場所の精度、アンダーラインの入れ方
この3つを積み上げれば、確実に点数は上がります。
具体的な法規の伸ばし方については、別記事の
「2週間で法規を10点伸ばす方法」で詳しく解説しています。
構造 10点台の人は「過去問が固まっていない」
次に構造です。
構造で10点台の人は、ほぼ例外なく過去問の安定性がありません。
- 正解は選べるけど理由が曖昧
- 選択肢を雰囲気で切っている
- 毎回点数が大きくブレる
この状態です。
構造は、過去問を完璧にこなせば20点は確実に取れる科目です。
そして重要なのは、
「問題」だけでなく全選択肢を理解すること。
過去問に出題された内容は、必ず教科書の
太字・赤字レベルの重要事項です。
ここが理解できていない場合、原因はほぼ一つ。
それは、「教科書の読み込みが足りていない」というだけです。
構造 20〜22点の人は「あと一段階」
構造で20〜22点取れている人は、実はかなり良い位置にいます。
- 基礎力は身についている
- 過去問レベルは対応できる
- 計算問題も極端に落としていない
ただし、初出題・見慣れない問題への対応力が不足しています。
この層の人に多いのが、
- 教科書の細かい字を読み飛ばしている
- 補足説明を「重要じゃない」と判断している
というケース。
本試験では、こうした細かい補足部分から
最後の数点を取りに来る問題が必ず出ます。
ここを落ち着いて拾えるようになると、構造は25点以上が見えてきます。
まとめ 20点以下なら迷わず法規・構造から
法規と構造が20点以下の場合、
やるべきことは明確です。
- 他科目より、まず法規・構造を優先
- センスではなく、作業と理解量を増やす
- 過去問と教科書を「雑に終わらせない」
この2科目は、逃げた分だけ差が開き、
向き合った分だけ素直に返ってきます。
学科を通りたいなら、まずは法規と構造。
ここから立て直すのが、一番現実的で、再現性の高い戦略です。
20点以下の人がやってはいけないこと
法規・構造が20点を切っている場合、
「何をやるか」以上に「何をやらないか」が重要になります。
多くの人が、頑張っているつもりなのに点数が伸びない原因は、
今のレベルに合っていない勉強をしていることです。
ここでは、20点以下の人がやりがちな「やってはいけない勉強」を
科目別に整理します。
法規|教科書をひたすらインプットすること
一般論として、教科書を読むことはとても大切です。
ただし、「法規で20点を切っている人」に限っては、話が変わります。
この点数帯にいるということは、知識が足りないというより、
アウトプットが圧倒的に不足している状態です。
- 条文を引くスピードが遅い
- 正しい条文に辿り着けない
- 問題文と条文を結びつけられない
この状態で教科書を読み続けても、試験で使える力にはなりません。
やるべきことはシンプルです。
1週間〜10日間は、法規だけを解く期間を作る。
問題集を解き、間違えた問題は必ず、
“法令集の「◯条◯項」に辿り着き、そこにメモを残す”
この作業をひたすら繰り返します。
「覚える」ではなく、「正しく引けるようになる」ことが目的です。
この方法で問題集1冊分をやり切れば、法規は22〜25点までは十分狙えます。
構造 闇雲に問題集を回すこと
次に構造です。
構造で20点を切っている場合、一番やってはいけないのが、
「とりあえず問題集を回すこと」です。
前のフェーズでも触れましたが、
この点数帯にいる人は、教科書の主要範囲が
まだ自分の中で整理されていない状態です。
この段階で問題集を解いても、
- 解説を読んだ時だけ分かった気になる
- 次に同じ問題が出ると解けない
- 知識が点でしか残らない
という悪循環に陥ります。
構造で20点を超えるために、まず優先すべきは教科書です。
具体的には、
- 用語一つ一つに緑のマーカーを引く
- 赤シートで隠しながら反復
- 「説明できるか」を基準に確認
この作業を徹底します。
地味ですが、これが一番効率がいいです。
2週間しっかり取り組めば、構造は20点超えが見えてきます。
実際に、私が総合資格に通っていた頃、
構造が苦手だった受講生にこの方法を勧めたところ、模試の点数が
14点 → 23点に、わずか2週間で上がりました。
やることを間違えなければ、構造は短期間でも結果が出ます。
まとめ 20点以下は「量」より「順番」
法規・構造が20点以下の人は、
勉強量が足りないのではなく、やる順番を間違えているだけ
というケースがほとんどです。
- 法規は「読む」より「引く」
- 構造は「解く」より「理解する」
この順番を守るだけで、
点数の伸び方は大きく変わります。
まずは20点を超えること。
そこから、25点、30点を狙えばいい。
焦って全部やろうとせず、今の自分に合った勉強だけをやる。
それが、直前期に一番点数を伸ばす方法です。
点数が伸びない原因は「才能」ではない
一級建築士学科で点数が伸びないと、
「自分は向いていないのかもしれない」
そう感じてしまうことがあります。
でも、ここまで見てきた通り、
多くの場合、原因は能力不足ではありません。
- 社会人になって勉強時間が減った
- 学生時代と同じやり方が通用しなくなった
- 効率より「とりあえずやる」勉強になっていた
ただ、それだけです。
特に法規と構造は、配点が30点と高く、
正しい順番で取り組めば、最も伸ばしやすい科目です。
- 法規は「覚える科目」ではなく「引く科目」
- 構造は「問題を解く前に、教科書を理解する科目」
この前提を知らないまま勉強すると、どれだけ時間をかけても成果が出にくくなります。
逆に言えば、今の点数が低くても、
やることを絞り、順番を変えるだけで、短期間でも点数は大きく変わります。
大切なのは、「全部やること」ではなく、
「今の自分に必要なことだけをやること」です。
焦らなくて大丈夫です。
一つずつ、確実に積み上げていけば、学科は必ず形になります。
この記事が、「何から立て直せばいいか分からない」
そんな状態から抜け出すきっかけになれば幸いです。



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