「ラスト4ヶ月で本当に間に合うのだろうか。」
一級建築士学科試験を受験する多くの人が、この時期に同じ不安を抱えると思います。
僕も全く同じことを思っていました。
模擬試験は80点台。合格ボーダーは毎年90点前後。
あと数点が、どうしても埋まらない。努力はしているのに、点数が伸びない。
そんな状況に焦りを感じていました。
実際、4月の模試は83点。5月は82点と、むしろ下がりました。
このままでは合格できないと本気で危機感を持ったのを覚えています。
しかし、あるタイミングで勉強法を変えました。
やみくもに全科目を伸ばすのをやめ、フェーズごとに戦略を立て直したのです。
その結果、最終模試では100点に到達しました。
この記事では、ラスト4ヶ月で実際に行った勉強法と、点数が伸びた本当の理由をすべてお伝えします。
4月の状況 まだ完成していない中での83点
4月時点の模擬試験の結果は以下の通りでした。
- 計画:14点
- 環境・設備:13点
- 法規:20点
- 構造:18点
- 施工:18点
- 合計:83点
当時は総合資格に通っており、この模試も総合資格のカリキュラムに沿ったものでした。
ただし、この時期はまだ授業が全範囲終わっていません。
つまり、「習っていない範囲」が普通に出題されていました。
そのため、点数は必然的に伸びにくい状況です。
それでも80点を超えられたのは、
「習った範囲を確実に取り切る」ことができていたからです。
ここがこの時期の最大のポイントでした。
第1回模試までの勉強方法
4月時点で徹底していたことは、たった2つです。
毎週の予習・復習を完璧にする
授業週の範囲の予習と、その前の週の範囲の復習。
これらを確実に行うことを意識していました。
広く浅くの勉強ではなく、狭く深く、確実に得点源にする。
これを徹底していました。
問題集をとにかくやり込む
ただ回すのではなく、
- なぜ間違えたのか
- 知識不足か、理解不足か
- 次出たら正解できるか
ここまで確認していました。
特に構造は選択肢単位で理解することを意識。
「なんとなく正解」や「なんとなく不正解」をなくすことが、この時期のテーマでした。
4月の戦略の本質
この時期に意識していたのは、
「未知の範囲を追わないこと」
まだ授業が終わっていないのに、焦って先取りすると、既習範囲の精度が落ちます。
結果として80点を割る人が多い。
僕は逆に、
「今やっている範囲は100%取る」
という戦略を取りました。
その積み重ねが83点という結果につながりました。
5月 全範囲終了。しかし伸び悩む1カ月
5月の模擬試験結果はこうでした。
- 計画:12点
- 環境・設備:13点
- 法規:16点
- 構造:24点
- 施工:16点
- 合計:82点
この頃にはほぼ全範囲の授業が終了していました。
つまり、この点数はほぼ「今の実力」と言っていい状態です。
本試験のボーダーは毎年90点前後。82点では届きません。
しかも、4月より点数が落ちているため、正直かなり焦りました。
この時の最大の失敗
今振り返ると、失敗は明確です。
「全科目を満遍なく伸ばそうとしたこと」
ラスト3ヶ月しかないのに、どれも中途半端な状態。
全部上げなきゃいけない。そう思い、あらゆる科目に手を出しました。
結果どうなったか。
- 復習時間が分散
- 反復回数が不足
- 定着しないまま次へ進む
典型的な“焦り勉強”でした。
特に法規では、本来は思考と条文の照合が命の科目なのに、
解説を読んで「暗記」で乗り切ろうとするという、
完全に間違った方向に進んでいました。
それでも構造は伸びた
この模試で唯一伸びたのが構造(24点)。
これは、力学を徹底していた成果でした。
この時点で気づきました。
「全部を伸ばすのは無理。軸を決めるしかない」
5月後半 法規に全集中
一級建築士学科の“要”は法規と構造。
構造はある程度戦える。
ならば、法規を引き上げるしかない。
ここから、法規の勉強方法を根本的に変えました。
実際にやったこと
- 問題集のすべての選択肢に対応する条文へ線引き
- その条文すべてにインデックスを追加
- 飛びやすい条文には「この用語=この条文」と事前書き込み(規定上、許容範囲内)
つまり、「問題を解く」のではなく、「条文に辿り着く練習」に変えたのです。
この転換が、後の点数上昇のきっかけになりました。
6月 法規・構造が完成形へ
模擬試験3回目の結果は以下の通りでした。
- 計画:11点
- 環境・設備:11点
- 法規:25点
- 構造:25点
- 施工:15点
- 合計:87点
総合点はまだボーダーライン(90点前後)に届いていません。
しかし、この模試で大きな意味を持ったのは
法規25点・構造25点を取れたことでした。
一級建築士学科の「軸」である2科目で50点。
これが取れたことで、合格が現実的になった瞬間でした。
法規は2週間で変わった
特に印象的だったのは法規です。
5月後半から、
- 全選択肢に対応する条文へ線引き
- 条文へインデックス追加
- 「この用語=この条文」と書き込み
という「条文到達型」の勉強に切り替えてから、
わずか2週間。それで25点。
この結果を見て確信しました。
「自分は努力不足だったのではなく、やり方を間違えていただけだった」
法規は読解力の勝負ではなく、
条文に辿り着くスピードと精度の勝負です。
ここを修正できたことが大きな転換点でした。
以下の記事で「法令集を使い倒して点数を上げた方法」について詳しく解説しています。
ぜひ、ご覧ください。
ここからの戦略
法規と構造で50点が見えた。
あとは何をすべきか。答えはシンプルでした。
暗記科目を底上げする。
ただし、ここでまた失敗しがちなのが、
暗記科目にまとまった時間を使ってしまうこと。
これは非常に非効率です。
時間の使い方を変えた
この頃から、勉強時間を完全に分けました。
■ まとまった時間(仕事終わり)
→ 法規・構造に集中
→ 理解を深める学習
■ スキマ時間(昼休み・移動時間・寝る前)
→ 計画・環境設備・施工の暗記
→ 赤シートで反復
暗記科目は「長時間集中してやる科目」ではありません。
短時間×高回転。
これが最も効率的でした。
6月の本質
この時期にやったことは、
- 伸びる科目をさらに固める
- 暗記科目は反復回数でカバー
- 勉強時間の“質”を変える
つまり、科目ごとに戦い方を変えたのです。
7月 最終模試と最後の仕上げ
最終模試の結果は以下の通りでした。
- 計画:15点
- 環境・設備:14点
- 法規:27点
- 構造:27点
- 施工:17点
- 合計:100点
ついに合格ボーダーラインを大きく超えることができました。
4月:83点→5月:82点→6月:87点
そして7月100点。
数字で見ると順調に見えるかもしれませんが、
実際は5月の停滞が一番苦しかったです。
100点に到達した理由
この最終模試で安定した要因は明確です。
法規・構造が完全に得点源になった
法規27点、構造27点。この2科目で54点。
「崩れない軸」ができたことで、精神的にもかなり安定しました。
暗記科目の底上げが成功
6月から徹底していた
- スキマ時間での反復
- 赤シートによるアウトプット
- 教科書ベースの網羅学習
これが計画15点・環境14点という結果につながりました。
暗記科目は才能ではなく、回転数の勝負です。
試験2週間前にやったこと
ここで新しいことは一切しませんでした。
- 法規・構造は衰えない程度の演習
- 暗記科目は教科書補足まで拾う
- 苦手論点の最終確認
特に意識したのは、
「初出題にも対応できる状態にすること」
そのため、教科書の細字や補足も読み込みました。
この作業が本試験で効きました。
ラスト4ヶ月の本質
振り返ると、やったことはシンプルです。
- 4月:既習範囲を完璧にする
- 5月:焦って失敗する
- 6月:法規・構造を完成させる
- 7月:暗記科目を底上げする
つまり、
全部を同時に伸ばそうとしないこと。
フェーズごとに目的を変えたことが最大の成功要因でした。
まとめ ラスト4ヶ月で逆転できる
4月83点。
5月82点。
6月87点。
7月100点。
数字だけ見ると順調に伸びているように見えるかもしれません。
しかし実際は、5月の伸び悩みでかなり焦りました。
そこで気づいたことがあります。
点数が伸びない原因は、努力不足ではなく「戦略ミス」だったということです。
ラスト4ヶ月でやったことは、特別な勉強法ではありません。
- フェーズごとに目的を変える
- 法規と構造を軸にする
- 暗記科目は反復回数で底上げする
- 新しいことに手を出さない
たったこれだけです。
全部を同時に伸ばそうとすると、必ず失敗します。
一級建築士学科は“総合力”の試験ですが、
伸ばす順番には明確な優先順位があります。
まずは法規と構造を安定させる。
その土台ができてから暗記科目を底上げする。
この順番を守れば、80点台からでも十分逆転できます。
ラスト4ヶ月は、不安との戦いです。
でも、正しい戦略さえ取れれば、点数は必ずついてきます。
もし今あなたが80点前後で止まっているなら、
焦らなくて大丈夫です。
やるべきことを整理し、フェーズごとに集中する。
それだけで、合格は一気に現実になります。
本試験 全てが実った瞬間
そして迎えた本試験。結果は次のとおりでした。
- 計画:15点
- 環境・設備:19点
- 法規:27点
- 構造:29点
- 施工:18点
- 合計:108点
自己採点で108点。
マークミスがなければ確実に合格ラインを超えている点数でした。
4月83点からのスタート→5月の停滞→6月の戦略転換→7月の完成
すべてが、この一日に集約されました。
なぜここまで伸びたのか、特別な才能があったわけではありません。
やったことはシンプルです。
- 法規と構造を軸に据える
- 暗記科目は反復回数で勝つ
- フェーズごとに戦略を変える
- 焦って全科目に手を出さない
5月に82点だった自分が、本試験で108点を取れた理由はこれだけです。
伝えたいこと
一級建築士学科は、
「努力量」よりも「戦略」で決まります。
80点台で止まっている人は、能力が足りないわけではありません。
多くの場合、伸ばす順番を間違えています。
法規と構造を完成させる。
暗記科目はスキマ時間で叩き込む。
新しいことをやりすぎない。
この積み重ねが、最後に大きな差になります。
ラスト4ヶ月で、人生は変えられます。
あのとき焦りながらも戦略を立て直した自分に、今は「間違っていなかった」と言えます。
次に108点を取るのは、あなたかもしれません。



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