一級建築士学科の勉強というと、多くの人がまず意識するのが「勉強時間」だと思います。
実際、ネットで調べると「合格者の平均勉強時間は○○時間」「最低でもこれくらいは必要」
といった情報がたくさん出てきます。
私自身も、勉強を始めた当初はその数字をひとつの目安として見ていました。
そして、できるだけその数字に近づけるように、勉強時間を確保することばかりを考えていました。
しかし、社会人になってから勉強時間が減ったため、点数に伸び悩むようになりました。
この記事では、一級建築士の学科を勉強する上で、僕が導き出した効率的な勉強方法をまとめています。
勉強方法に悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
学生時代は時間でカバーできていた
大学生だった頃は、今思えばかなり効率の悪い勉強をしていました。
テキストを最初から最後まで読むことが目的になっていたり、
問題を解いても、「正解したからOK」「間違えたけどまあいいか」と深く振り返らなかったり。
理解が浅いまま次の範囲に進むことも多く、決して質の高い勉強とは言えませんでした。
それでも、学生時代は時間がありました。
平日、休日ともに丸一日勉強に使える。
多少遠回りな勉強をしていても、時間の量で何とかなってしまっていたのだと思います。
学生時代の最後に受けた模擬試験の結果が次の通りでした。
- 満点:70点
- 得点:69点
- クラス順位:1位
- 全国順位:20位
これにより僕は、自分の勉強のやり方が正しいと錯覚してしまうようになっていました。
社会人になって通用しなくなった
社会人になり、勉強に使える時間は一気に減りました。
学生時代は、多少効率が悪くても「時間をかければ何とかなる」勉強ができていましたが、社会人になると、同じやり方では明らかに間に合わなくなりました。
仕事が終わってからの勉強は、思っている以上に体力と集中力を使います。
机に向かってはいるものの、内容が頭に入っていない日も少なくありませんでした。
それでも最初は、根本的な原因を考えず、無理に勉強時間を増やそうとしていました。
その結果、社会人になってから受験した3回の模擬試験で、一度もボーダーラインの90点を超えることができませんでした。
その低迷した状態が続き、ようやく気づきました。
問題だったのは、時間が足りないことではなく、「学生時代と同じ勉強方法を続けていたこと」でした。
一級建築士学科は、努力した時間を評価してくれる試験ではありません。
本試験で正しい選択肢を選べたかどうか、それだけで合否が決まります。
つまり、どれだけ長時間机にかじりついて勉強しても、解ける状態になっていなければ意味がないということです。
◯長時間やっても身につかない原因
勉強時間を確保しているのに伸びないとき、振り返ってみると原因ははっきりしていました。
- インプットばかりで問題演習が少ない
- 教科書の読み込みが足りない
- 教科書に書いてある用語が知っていることで覚えた気になる
これでは、どれだけ時間をかけても、知識は定着しません。
特に社会人の場合、心身ともに疲れた状態での長時間学習は集中力が落ち、ただ「勉強している気分」になるだけでした。
導き出した、効率の良い勉強方法
構造・法規は「朝」にやらない
最初にたどり着いた結論は、
構造と法規は朝にやらない方がいいということです。
当時の私は、
「夜は疲れて集中できないから、頭を使う科目は朝にやろう」
と考えていました。
いわゆる
「朝は脳がリフレッシュされているから、思考系の勉強に向いている」
というやつです。
そこで、いつもより1時間半早く起きて、構造や法規に取り組み始めました。
ところが、実際にやってみると、
すぐに問題が出てきました。
まず、寝起きで脳がまったく起きていない。
テキストを読んでも内容が入ってこないし、
計算問題も手が止まる。
夜に疲れた状態でやるより、
むしろ集中できていない感覚すらありました。
朝の勉強は効率が良い、とよく言われます。
確かに、2時、3時に起きて時間に余裕があるようなs人であれば、その通りだと思います。
ですが、社会人の場合は事情が変わります。
起きてから出勤までの時間は限られており、
脳が完全に起きる前に勉強を始めざるを得ません。
その状態で、構造や法規のような
思考力と理解力を強く求められる科目をやるのは、
正直かなりきついです。
さらに、朝の勉強中は
「このあと仕事がある」という意識が常に頭の片隅にあります。
- あと何分で家を出ないといけない
- この問題、途中までで終わりそう
- 時間が足りない
こうしたことが気になり、
どうしても集中が途切れてしまいました。
特に法規と構造は、
問題を解く時間自体は短くても、
解説を読んで理解し、納得するまでに時間がかかる科目です。
時間に追われた状態で
「とりあえず覚えよう」としても、
結局、頭に残らず、本末転倒でした。
そこで私は、考え方を切り替えました。
構造と法規は、
仕事終わりで「このあとに用事がない夜」にやる。
時間を気にせず、解説をじっくり読み、理解することを優先する。
結果的に、この方が圧倒的に理解が深まり、
翌日以降も内容が頭に残るようになりました。
朝は、暗記系や軽めの復習。
夜は、構造・法規のような重たい科目。
この切り分けができてから、勉強のストレスはかなり減ったと感じています。
「教えるつもり」勉強法
皆さんは、誰かに質問されたとき、
その内容を正確に説明できる自信はありますか。
「答えは分かるけど、うまく言葉にできない」
そう感じたことがある人は、かなり多いと思います。
それは、その内容を理解していないわけではないけれど、
本質まで掴めていない状態だからです。
実はこの感覚、一級建築士学科の勉強では非常に重要なサインです。
説明できない=理解が浅い
自分では「分かったつもり」でも、
いざ説明しようとすると言葉が出てこない。
このとき初めて、
「あれ、実はちゃんと分かってなかったな」
と気づきます。
そしてこの気づきこそが、
勉強の中で一番価値のある瞬間だと感じています。
なぜなら、理解が曖昧な部分が、はっきりと表に出るからです。
◯実際に効果を感じたきっかけ
私自身、総合資格に通っていた頃、
他の受講生から質問されることがありました。
最初は、自分では分かっているのに、うまく説明できず、
曖昧な答えになってしまうことが多かったです。
そのたびに、正直かなり悔しかったです。
「同じ内容をもう一度聞かれたら、
次はちゃんと説明できるようになろう」
そう思い、
最初から「誰かに教えるつもり」で勉強する
ようになりました。
教えるつもりで勉強すると、
ただ答えを覚えるだけでは済まなくなります。
- なぜその答えになるのか
- 他の選択肢は、どこが違うのか
- 科目が苦手な人はどこでつまずきやすいか
こうした点まで考えるようになります。
その過程で、自分の中で知識が整理され、
自然と言語化されていきます。
このときの理解度は、
黙々と問題を解いているときとは比べ物になりません。
実際、一度誰かに説明できた内容は、
驚くほど頭に残りました。
この勉強法の良いところは、
理解が深まるだけでなく、記憶にも残りやすい点です。
まさに一石二鳥の勉強法です。
説明できるレベルまで落とし込めた知識は、
試験本番でもブレにくくなります。
「何となく覚えた知識」とは違い、
自信を持って選択肢を切れるようになります。
「一緒に勉強する人がいない」という場合でも、この方法は使えます。
- 誰かに説明しているつもりで声に出す
- ホワイトボードやノートに書きながら説明する
- 自分に質問を投げかけて答える
これだけでも、理解度は確実に変わってきます。
特に、声に出して説明するのはおすすめです。
黙読では気づかない曖昧さが、すぐに表に出てきます。
一級建築士学科の勉強で怖いのは、
「分かったつもり」のまま進んでしまうことです。
教えるつもりで勉強することで、その状態を強制的に壊すことができます。
誰かと勉強できる人は、ぜひ説明し合ってみてください。
一人で勉強している人も、ぜひ声に出して説明してみてください。
理解の深さが、確実に一段階変わるはずです。
まとめ 社会人になって気づいた、勉強法を見直す重要性
社会人になり、学生時代のように勉強時間で勝負することは難しくなりました。
その中で痛感したのは、「どれだけ勉強したか」よりも「どう勉強するか」の方が、結果に大きく影響するということです。
まずひとつ目は、科目と時間帯を感覚で決めないこと。
「朝は頭が冴えているから構造・法規をやるべき」という一般論が、必ずしも社会人全員に当てはまるわけではありません。
時間に追われる朝よりも、仕事終わりで余裕のある夜に、腰を据えて理解する方が、構造や法規は圧倒的に定着しました。
大切なのは、世間で謡われている効率論ではなく、自分の生活リズムと制約を前提に考えることだと思います。
そしてもうひとつが、「教えるつもり」で勉強すること。
分かったつもりの知識は、誰かに説明しようとした瞬間に、簡単に崩れます。
その崩れた部分こそが、本当に向き合うべき弱点です。
実際に説明できるレベルまで落とし込めた内容は記憶にも残りやすく、本試験でも迷いにくくなりました。
この二つに共通しているのは、勉強時間を増やす工夫ではなく、勉強の質を高める工夫だという点です。
社会人受験生にとって、時間が限られていることは避けられません。
だからこそ、やみくもに頑張るのではなく、一度立ち止まって勉強法を見直すことが重要になります。
独学で頑張っている方でなかなか覚えられない人がいたら、オンライン講座等に登録してみるのも一つの戦略だと思います。
詳しくは以下の記事で詳しく解説しています。

もし今、「勉強しているのに手応えがない」「時間の割に点数が伸びない」と感じているなら、それは努力が足りないのではなく、やり方が今の生活に合っていないだけかもしれません。
社会人になってからこそ、自分に合った勉強法を選び直す。
それが、一級建築士学科を突破するための大きな一歩になると、私は感じています。
5科目の中でボリュームが大きく、苦手意識が強い人が多い、「法規」と「構造」の
勉強方法を書いた記事も載せておきます。
ぜひ読んでみて下さい。
よくある質問(FAQ)
Q1. 社会人でも一級建築士の学科試験に合格できますか?
可能です。
実際に私も社会人として働きながら合格しました。
ただし、学生と同じように長時間勉強するのは難しいため、効率を意識した勉強方法が必要になります。
特に重要なのは、
- アウトプット中心の勉強
- 復習回数を増やすこと
この2つを意識して勉強すれば、より効率的な学習効果を得ることができます。
Q2. 社会人は1日どれくらい勉強すれば合格できますか?
平日は2〜3時間、休日は8~10時間が目安です。
私の場合は、
- 平日:3時間
- 休日:11時間
これを半年間継続しました。
ただし、時間よりも勉強の質の方がはるかに重要です。
Q3. 社会人は独学と資格学校どちらがおすすめですか?
時間効率を考えると資格学校がおすすめです。
- 勉強範囲が明確になる
- 質問できる環境がある
- 効率の良いカリキュラムがある
これらの理由が挙げられます。
独学の場合は、勉強方法を間違えると遠回りになる可能性があります。
Q4. 一級建築士の学科試験で最も重要な勉強方法は何ですか?
最も重要なのは、問題を繰り返し解くことです。
テキストを読むだけでは、知識は定着しません。
問題集を何度も繰り返し解き、
- 解説を理解する
- 教科書に戻る
このサイクルを繰り返すことが重要です。
Q5. 社会人が合格するためにやってはいけない勉強方法はありますか?
最もやってはいけないことは、教材を増やすことです。
教材を増やすと、次のような問題点があります。
- 復習が不十分になる
- 理解が浅くなる
一つの教材を繰り返し使うことが合格への近道です。





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